行政活動と法

現在の日本には、いたるところに行政の作用が働いている。これらの行政活動は、法律の基づいて行われている。このことは憲法が保障している。

第41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。

一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。

41条の立法の意義において、国が国民の自由を制約し、義務を課す場合、及び、行政の組織に関しては法律に基づくべきとする。行政を規律する規範には組織規範、根拠規範、規制規範の3つがある。

組織規範:行政機関の組織に関する定め(内閣法など)

根拠規範:行政活動を行うにあたって必要とされる根拠規定(警察職務執行法など)

規制規範:行政活動のやり方について定める規範(補助金適正化法など)

このように行政は法律に基づいて行われるのだが、すべての行政活動に法律の根拠が必要となるかが問題となる。この点については以下のような見解がある。

[A]国民の自由を制約し義務を課すような行政活動(侵害行政)にのみ法律の根拠を必要とする(侵害留保説

[B]全部の行政活動に法律の根拠を必要とする(全部留保説

[C]中間的見解 

  • 権力的な行政活動について法律の根拠を必要とする
  • 社会給付活動について法律の根拠を必要とする
  • 重要事項について法律の根拠を必要とする

通説は侵害留保説に立つ。これは、国民の自由を制約し、義務を課すには自由主義的見地から法律の根拠が必要になるからである。その一方で、福祉など個人に便益を与える給付行政は、自由度を高め国民の利益に資するために法律による縛りがない方が良いと考えられるためである。

行政法を学ぶ上では、行政の原理と法律の関係を考えることが重要である。

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