更改・免除・混同

スポンサーリンク


更改

更改:当事者が債務の要素を変更する契約をすることにより、旧債務を消滅させ新債務を成立させることである。債務の要素とは、債務の同一性を決定する重要な部分である(Ex. 債権者、債務者、債権の目的である給付)。

513条 当事者が債務の要素を変更する契約をしたときは、その債務は、更改によって消滅する。

2  条件付債務を無条件債務としたとき、無条件債務に条件を付したとき、又は債務の条件を変更したときは、いずれも債務の要素を変更したものとみなす。

旧債務の消滅に伴い新債務も消滅する。更改がされた場合、旧債務と新債務の間に同一性はない。そのため、旧債務の担保や抗弁権もすべて消滅し、新債務に移転しない。

518条 更改の当事者は、更改前の債務の目的の限度において、その債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができる。ただし、第三者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。

518条によれば、第三者が質権又は抵当権を設定した場合には、当初の債権とは別個の債権を担保することになるため、その者の承諾が必要である。

要件

①消滅すべき債権の存在

②債務の要素(債務の同一性を決定する重要な部分)を変更すること

③新債権の成立

免除

免除:債権者が債務者に対し、一方的意思表示により、債権を消滅させること。

519条 債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。

将来における継続収入の債権の一種である建物の賃料債権の差押は、差押債権額を限度として、差押後に収入すべき賃料に及ぶものであるところ(民訴法六〇四条)、基本たる建物の賃貸借契約が第三債務者である賃借人との間に存続する以上、右第三債務者に対する差押命令が送達されてその効力が発生した後は、差押債務者がする賃料債務の免除は、その事情のいかんにかかわらず、差押債権者を害する限度において差押債権者に対抗できないと解すべきである。(最判昭和44年11月6日民集23巻11号2009頁)。

債権を差し押さえられた債権者や、債権を質入れした債権者は処分権限がないので、免除は、差押債権者や債権質権者に対抗できない。

混同

混同:債権と債務が同一人に帰属することにより債権が消滅することである。

520条 債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。

例:債務者が債権者を相続する;債権者会社と債務者会社が合併する等。

例外

①債権が第三者の権利の目的である場合。

第三者が当該債権を差し押さえていた場合など。

②債権・債務の帰属する財産が分離している場合。

相続人による限定承認(922条以下);財産分離(941条以下)など。

③土地賃借権が対抗要件を備える場合。

特定の土地につき所有権と賃借権とが同一人に帰属するに至つた場合であつても、その賃借権が対抗要件を具備したものであり、かつ、その対抗要件を具備した後に右土地に抵当権が設定されていたときは、民法一七九条一項但書の準用により、賃借権は消滅しないものと解すべきである。(最判昭和46年10月14日民集25巻7号933頁)

④不動産賃貸借における当事者の合意の不存在。

家屋の所有権者たる賃貸人の地位と転借人たる地位とが同一人に帰した場合は民法六一三条一項の規定による転借人の賃貸人に対する直接の義務が混同により消滅するは別論として、当事者間に転貸借関係を消滅させる特別の合意が成立しない限りは転貸借関係は当然には消滅しないものと解するを相当とする。(最判昭和35年6月23日民集14巻8号1507頁)。

⑤債権の存在に経済的意味がある場合。

スポンサーリンク



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする