憲法とは

憲法とは

憲法とは,国家という統治団体の存在を基礎づける基本法である.

憲法の意味

憲法の概念は,大別して形式的意味の憲法実質的意味の憲法が存在する.実質的意味の憲法は,固有の意味の憲法立憲的意味の憲法に分かれる.

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形式的意味の憲法

形式的意味の憲法は,「憲法」という名前で呼ばれる成分の法典を意味する.日本においては,日本国憲法がそれにあたる.

実質的意味の憲法

実質的意味の憲法は,ある特定の内容をもった法を意味する.これは,成文・不文を問わない.実質的意味の憲法は,以下の2つのものが存在する.

固有の意味の憲法

固有の意味の憲法は,国家の統治の基本を定めた法を意味する.すなわち,政治権力の組織と作用及び相互の関係を規律する規範が固有の意味の憲法である.

立憲的意味の憲法

立憲的意味の憲法は,自由主義に基づいて定められた国家の基礎法をいう.これは,専断的な権力を制限し,国民の権利を保障するという立憲主義の思想に基づく.立憲的意味の憲法の趣旨は,1789年フランス人権宣言の16条に示されている.

権利の保障が確保されず,権力の分立が定められていない社会は,すべて憲法をもつものではない

立憲的意味の憲法の趣旨は,政治権力を制限して人権を保障することである.

以上の3つの意味の憲法のうち,最も重要な概念は立憲的意味の憲法である.

立憲的意味の憲法の特色

淵源

立憲的意味の憲法の思想の起源は,中世にある.中世においては,国王が絶対的な権力を保持し,臣民を支配した.しかし,絶対王政末期になると,イギリスに中世以来存在した,国王権力をも拘束する「高次の法」(higher law)という思想と,ロック的な社会契約論の影響下に,社会構成員の合意書としての憲法典を制定しようという考えが生じた.このような思想を受け,1776年から89年にかけてアメリカ諸州の憲法が制定された.

同時期,フランスにおいても,1789年フランス人権宣言において国民主権人権保障権力分立が国家の基本原理となるべきことを宣言し,1791年にそれに基づくフランス第一共和制憲法が制定された.

形式と性質

立憲的憲法は,その形式は一般的に成文憲法であり,その性質は,通常の法律より難しい手続によらなければ改正することができない硬性憲法である.

立憲的憲法が成文であることの理由は,社会契約説に基礎づけられる.すなわち,国家は自由な国民の社会契約によって組織され,その社会契約を具体化したものが根本契約たる憲法であるから,契約である以上それは文書の形にすることが望ましい.

立憲的憲法が硬性であることの理由も,社会契約説の影響による.すなわち,憲法は社会契約を具体化する根本契約であり,国民の不可侵の自然権を保障するものであるため,憲法に基づく立法権は根本法である憲法を改正することはできず,立法権は憲法に拘束される.よって,憲法の改正は特別の手続によるものと考えられる.

憲法の分類

伝統的な分類

形式・性質・主体による分類

  1. 形式の点から,成典か不成典か.
  2. 性質の点から,硬性か軟性(改正が通常の立法の場合と同じ手続による)か.
  3. 憲法の制定主体の点から,君主によって制定される欽定憲法か,国民によって制定される民定憲法か,君主と国民との合意によって制定される協約憲法か.

国家形態による分類

  1. 君主が存在するかどうかによる君主制か共和制か.
  2. 大統領制か議院内閣制か.
  3. 連邦国家か単一国家か.

機能的な分類

  1. 規範的憲法:政治権力が憲法規範に適応し,服従しており,それに関係する者すべてによって遵守されている憲法.
  2. 名目的憲法:成文憲法典は存在するが,現実的に規範性を有さず,名目的に過ぎない憲法.
  3. 意味論的憲法:憲法そのものは適用されているものの,政治権力保持者のためにその時点の権力状況を憲法的用語を用いて外観的に定式化したにすぎないもの.

憲法規範の特質

自由の基礎法

近代憲法は自由の基礎法である.憲法は,自由主義の所産であり,自由の規範である人権規範を支えるものである.

制限規範

近代憲法は,国家権力を制限する基礎法である.

最高法規

憲法は最高法規であり,国法秩序において最も強い形式的効力を有する.日本国憲法においては98条が明示する.

この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

憲法の形式的最高法規性は,硬性憲法であることに由来する.また,憲法の実質的最高法規性は,憲法の内容が,人間の権利・自由をあらゆる国家権力から不可侵であるものとして保障する規範を中心として構成されていることから導かれる.

まとめ

憲法は,近代立憲主義の思想に基づき,自由の保障,法の支配,権力分立,国民主権といったものを規定するものであり,自然法の根本規範を明文化したものである.憲法の意味,分類を明確にする上で,近代立憲主義の思想を切り離して考えることはできないといえる.

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