NHK受信料制度合憲判決を読む③-今後の影響について

これまでは、判決文を基に受信料制度について検討した。では、今回の判決は今後の受信料制度にどのような影響を与えるのか、以下見ていく。

これまでの記事は以下から。

NHK受信料制度合憲判決を読む①-憲法適合性について

NHK受信料制度合憲判決を読む②-放送法64条1項の意義・性質

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受信料の支払義務が明確に

 今回の判決は、NHKの受信料制度を合憲であるとしたため、受信設備設置者に受信契約の締結義務が存在することを明らかにした。すなわち、NHKが受信設備設置者に対して訴訟を提起して勝訴が確定すると、受信設備設置者は受信料を支払わなければならないのである。

 NHKはこれまでも、受信料の支払を拒絶する者に対して訴訟を提起してきた。今回の判決によって受信料制度が合憲であると明確に判示されたため、NHKはより積極的に訴訟を活用し、受信料の徴収を図ることが考えられる。

 国民の立場からすれば、NHKからの受信契約の締結の申込みや受信料の支払の催促に対して強く拒絶することができなくなった。それどころか、受信料を払わざるを得ないようになったということができる。

 現在、受信契約を締結していない世帯は900万以上存在するといわれている。NHKがこのすべての世帯に対し訴訟を提起することは不可能かもしれないが、国民は、「無視すれば問題ない」という立場を取ることはもはやできないと考えるべきである。

受信料制度に対する批判

 最高裁の判決では合法とされたNHKの受信料制度であるが、そもそもこの制度に対する国民の批判が多く寄せられている。そのため、この判決の影響によりそもそもテレビを設置しないという国民も増えてくるかもしれない。NHKを運営するために資金が必要であり、受信料でそれをまかなう必要があるのも理解することができる。しかし、インターネット等で簡単に情報が手に入る昨今において、NHKを視聴しない者に対しても受信料の支払を義務づける法律は果たして適切かどうか疑問が残る。今回の判決でも、その点についての十分な説明はなされていない。時代の経過に照らした制度の見直しが今後進められるべきではないだろうか

まとめ

 NHKの受信料制度合憲判決を見てきたが、この判決の影響は大きいように思う。なぜなら、受信料制度が司法(最高裁判所)によって裏付けられたからである。今後このような訴訟が提起されれば、国民が勝つ可能性はゼロに等しいといえる。実質NHKの敗北である、との意見もあるが、訴訟のリスクを抱え、受信料の支払を断固拒絶するのは利口とはいえないだろう。

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