【重要論点】間接正犯

間接正犯

正犯とは、自ら犯罪を実行することを言うが、正犯は直接正犯と間接正犯に分けることができる。直接正犯とは、実行行為を行為者が自らの身体活動によって行うことをいい、間接正犯とは、他人を道具として利用し、あたかも自ら直接に実行したと同様の様態で実行行為を行うことをいう

間接正犯の要件

①他人をあたかも道具として利用し、自己の意思通りに犯罪をみずから実現する意思

②利用行為によって、被利用者の行為をあたかも道具のごとく一方的に支配・利用し、構成要件を実現する現実的危険性を生じさせること

間接正犯が成立する代表的なケースが子供を利用し、犯罪を実現するような場合である。次の事例も子供を利用した窃盗が正犯として認められた。

最判昭和58年9月21日

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事実

被告人は、12歳の養女Aを連れて巡礼の旅に出たが、被告人は巡礼中、Aの顔面にタバコを押し付けたり、ドライバーでAの顔をこすったりし、被告人の意のままに従わせていた。旅の途中、宿泊費に困窮した被告人は、Aを利用し巡礼先の寺などから金員を窃取しようと企て、Aに現金等を窃取させた。

判旨

被告人が、自己の日頃の言動に畏怖し意思を抑圧されている同女を利用して右各窃盗を行つたと認められるのであるから、たとえ所論のように同女が是非善悪の判断能力を有する者であつたとしても、被告人については本件各窃盗の間接正犯が成立すると認めるべきである。

評価

本判決で注意すべき点は、単にAが未成年であったからというよりも、Aが被告人により意思を抑圧されているということが根拠として間接正犯の成立を認めたということである。その後の判例では、被利用者の「判断及び行為の自主性」、「自由な意思決定」、「他の行為を行えた可能性」などに着目しており、概括的に見れば、間接正犯が認められる基準は、被利用者が他の行為の可能性がない程度に自由な意思決定を阻止されている状況にあることである

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