投資仲裁とは

 投資仲裁とは

国際投資において重要な制度が投資仲裁です。投資仲裁とは、投資家とホスト国との間に紛争が生じた場合に、仲裁人を任命し、仲裁においてその紛争を解決する制度のことをいいます。
例えば次のような場合に投資仲裁の制度が利用されます。A国の甲会社が、B国に支店を設立しました。B国は外国企業である甲会社支店に対し、自国企業よりも重い課税措置を行いました。このような不平等な取扱いを不服に思った甲会社は、B国を相手取って投資仲裁を行うことができます。その他様々な条件を満たす必要はありますが、単純に言えば、このような場合に投資仲裁を利用することができます。投資仲裁の学問分野では、甲会社を投資家、B国を投資受入国、ホスト国というように呼びます。
1966年の投資紛争解決国際センター(International Centre for Settlement of Investment Disputes, ICSID)の設立及び投資協定の増加を原因として、1990年代以降投資仲裁の件数は急増しました。日本が投資仲裁を利用したケースは2件にとどまりますが、TPPの締結により、今後ニーズは高まることが予想されます。

ICSID

ICSIDとは、国際投資紛争の調停と仲裁の手続と場を提供する機関です。ICSIDがなければ、国際投資紛争を解決するため、当事者同士が、どのような紛争解決手続にするのか、予め定めておく必要があります。他方、ICSIDの制度を利用すれば、当事者がICSIDの手続に拠ることを合意していれば、紛争ごとに手続きを逐一決定する必要はなく、簡単に仲裁を行うことができます。

投資協定

投資協定とは、投資家、投資財産が投資受入国において差別的取り扱いや収用などから保護するために、投資受入国の義務等を予め定めたものをいいます。投資協定には二国間で締結するものと多数国間で締結するものがあります。二国間で締結するものを、二国間投資協定(Bilateral Investment Treaty, BIT)といいます。多国間で締結するものを、多国間投資協定(Multilateral Agreement on Investment, MAI)と言います。BITに関して、日本は1977年にエジプトと締結しており、その後、様々な国家とBITを締結しています。MAIに関しては、まだ発効していませんが、TPPがそれに当たります。
投資協定には、投資受入国の義務のみだけでなく、紛争を仲裁に付する旨の仲裁合意がされていることが多いです。この仲裁合意があってはじめて当事者は、投資仲裁を利用することができます。

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