国際私法とは

 国際私法の意義

国際私法とは、法律関係を構成するいずれかの要素が外国との関連性を有する法律関係(渉外的法律関係)を規律する法のことをいいます。国際私法においては以下3つの要素が重要となります。

  • 国際裁判管轄:国際的な民事紛争をいずれの国の裁判所が審理することができるか。
  • 準拠法選択:紛争を解決するにあたっていずれの国の法を基準とするか。
  • 国際判決の承認執行:外国の裁判所の判決が、我が国において効力を有するか。

準拠法選択は、渉外法律関係から生じる実体的な問題を、国際裁判管轄及び国際判決の承認執行は、渉外法律関係から生じる手続的な問題を対象とします。準拠法選択は狭義の国際私法、国際裁判管轄及び国際判決の承認執行は国際民事手続法に分類されます。

  狭義の国際私法+国際民事手続法=広義の国際私法

国際私法の性質及びアプローチ

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性質

狭義の国際私法である準拠法選択は、渉外的法律関係の実体的問題について、いずれの国の方が判断基準となるか指定します。狭義の国際私法は、複数の国の、抵触している状態の各国法から適用されるべき法(準拠法)を選択・指定するという点で抵触規則と呼ばれます。選択・指定された法をこれに対比して実質法と呼びます。国際私法は、紛争に対し直接的に答えを出すのではなく、準拠法となる実質法を選択・指定し、間接的に答えを出します。この点で、国際私法には間接規範性があるといいます。

国内的法律関係:民事紛争⇒民法商法などの実質法を適用

渉外的法律関係:民事紛争⇒準拠法の選択・指定⇒指定された国の実質法を適用

国際民事手続法に関する規則は実質法です。

アプローチ

渉外的法律関係

アプローチ

  • 法規からのアプローチ

初めに実質法に着目し、当該法律は渉外的法律関係についていかなる場合にまで適用されるかを考えるアプローチ。

  • 法律関係からのアプローチ

初めに法律関係に着目し、当該法律問題を解決するのに、どの国の法律を適用するのが適切かを考えるアプローチ。日本の国際私法の大部分は、法律関係からのアプローチを採用しています。

国際私法の目的

理想状態

国際私法の目指す理想状態とは、跛行的法律関係を解消することである。跛行的法律関係とは、ある国では有効であるが、他国では無効であるといった国際的に不均衡な法律関係を指します。例えば、ある国では婚姻を認められているが、別の国では婚姻は無効と扱われている場合が、これに当たります。

  • 国際的判決調和

国際的判決調和ある法律問題について、いずれの国で判決が下されたとしても同一の結果が判断されること。

準拠法選択の局面において

準拠法選択の局面において、国際的判決調和を実現する最たる方法は、条約による準拠法選択規則(抵触規則)を統一することです(Ex. ハーグ国際私法会議)。しかし、すべての国が条約に加盟するとは限らず、実現は困難です。

そこで、各国が国際的な傾向に合致した抵触規則を作成することが求められます。重要なことは、内国法が優先的に準拠法となる抵触規則を作らないこと(内外法平等)、そして、法律関係に対し最も密接な関係を有する地の法律を準拠法として指定する抵触規則を作ることです(最密接関係地法適用の原則)。

国際民事手続法の局面において

唯一の専属的な管轄権を決定することにより、国際的判決調和を達成することができるかもしれないですが、これには問題が多いです。つまり、第一に原告の法廷地の選択肢が局限されてしまう、第二に、各国に国際裁判管轄権の制度があるため、一国だけ上記のような立場を採っても無意味に終わるという問題があります。

外国判決を必ず承認することにより、国際的判決調和を達成することができるかもしれませんが、自国の政策及び公序に反するような判決までも承認することは必ずしも合理的とはいえません。

国際私法は国際法か?

主権理論:国際私法を各国の主権の対立であるとする考え方。国際私法=国際法

主権理論は妥当ではありません。国際私法は単に私法上の法律関係を規律しているに過ぎないからです(国際私法=国内法)。

法源

1890 旧法例(施行されず)
1898 法例(明治31年法律第10号)
1989 法例の一部を改正する法律(平成元年法律第27号)=男女平等の実現
2006 法の適用に関する通則法(平成18年法律第78号)
2008-09 ウィーン売買条約加入・発効
2011 民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律(平成23年法律第36号)
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