経済法の意義

経済法、特に独占禁止法は、市場の競争を守るための重要な役割を果たしている。競争とは、複数の企業が顧客にとって望ましい財・サービスをより望ましい取引条件で提供しようと競い合うことである。

競争が行われることは、(1)消費者の利益、および、(2)資源配分の効率性の観点から望ましい。(1)企業が競い合うことによって、消費者はより良い商品をより安価に手に入れることができる。また、(2)生産・販売にかかる費用より消費者の評価の方が高い限り、生産・販売活動が行われ、社会の資源を無駄なく利用することができる。

このような競争を阻害するものとして、(1)競争の回避、(2)競争の排除がある。(1)競争の回避には、価格カルテルや生産量の調整などがあるが、企業は他の企業と通ずることによって、自己に有利な取引条件を実現し、利益を得ることができる。(2)競争の排除には、原材料入手の妨害、安値販売によるライバル排除などがあるが、ライバル企業の競争力を奪うことによって、顧客を独占し、自己に有利な取引条件を実現し、利益を得ることができる。これらは、行動のレベルでの競争問題ということができる。

他方で、構造レベルでの競争問題も存在する。市場における企業の数、上位企業のシェア、参入障壁、需要の程度などの事情により、競争がそもそも行われなくなることがある。

市場における競争を維持するためには、競争を阻害する行動を規制すること、競争が活発に行われる市場構造を保つことが重要である。これらの措置を行うにあたって反競争効果の基準としての市場支配力を把握することが必要である。市場支配力とは、より活発な競争が実現され得た価格等の取引条件よりも自己に有利な取引条件を設定できる地位のことである。但し、市場支配力が存在することが問題なのではなく、それが形成、維持、強化されることが問題なのである。

独占禁止法は、市場競争力の形成、維持、強化を規制すると同時に、市場秩序に悪影響を及ぼし得る行動や経済的地位の濫用をも禁止することによって、競争を守るのである。

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