朝鮮学校無償化問題

朝鮮学校を高校授業料無償化の対象から除外したのは違法だとして、東京朝鮮中高級学校高級部の卒業生62人が国に1人当たり10万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。田中一彦裁判長は、原告側の請求を退けた。

引用:産経ニュース(http://www.sankei.com/affairs/news/170913/afr1709130026-n1.html

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朝鮮学校無償化訴訟

9月13日、東京地方裁判所は、朝鮮学校を高校無償化の対象に指定しなかったのは違法として、東京朝鮮中高級学校(東京都北区)の元生徒62人が国を相手に1人10万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、請求を棄却した。これは、全国の5地裁・支部で起こされた同種訴訟で3例目の判決に当たる。

同種訴訟では広島地裁は、国の処分は裁量の範囲内で適法と判断し、原告の請求を棄却した。他方で大阪地裁は、国の処分が裁量権の逸脱・濫用にあたるとして、国に取消しを命じ、無償化対象に指定するよう義務受ける判決を言い渡した。

高校無償化

高校無償化は、民主党政権時代に成立、施行された公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律に基づき行われている。同法施行規則1条1項2号により、無償化の対象となる外国人学校は以下に該当するものである。

  • (イ)大使館等を通じて日本の高校に相当する過程であることが確認できるもの
  • (ロ)国際的学校評価団体の認証を受けているもの
  • (ハ)その他、文部大臣が高校の過程に類する過程として指定したもの

当時、朝鮮学校10校は、「文部大臣が高校の過程に類する過程として指定したもの」であり、無償化の対象とされた。文部科学省は、この要件について「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則第一条第一項第二号ハの規定に基づく指定に関する規程」を発表している。

2012年に安倍内閣が誕生すると、下村博文文科省は、朝鮮学校を無償化の対象から除外する方針を表明した。そして、行政手続法のパブリック・コメントの募集を経て、2013年2月20日、(ハ)の規定を削除する旨の同規則の一部改正を公布すると同時に、朝鮮高校10校に「不指定」の通知を送った。

加えて、「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則第一条第一項第二号ハの規定に基づく指定に関する規程」第13条は、「指定教育施設は、高等学校等就学支援金の授業料に係る債権の弁済への確 実な充当など法令に基づく学校の運営を適正に行わなければならない」と規定するが、この規定に適合しないことを理由として不指定とした。

処分の合理性

朝鮮学校の無償化対象からの除外をめぐって、北朝鮮による拉致問題が背景にあると考えられる。東京地裁での原告側は、「政治的理由で教育の機会均等という高校無償化制度の趣旨を覆しており、違法だ」と主張した。国は新聞報道や公安調査庁の分析などから「在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)や北朝鮮との密接な関係が疑われ、学校側に支払われる就学支援金が授業料に充てられない懸念がある」と反論した。

東京高裁が、どのような理由で処分における裁量権の逸脱・濫用がないと判断したかは明確ではないが、広島地裁が原告側の請求を認容する判決を下している以上、司法判断の相違は議論になると考えられる。同種訴訟はほかに名古屋地裁と福岡地裁小倉支部で係属しており、それらの判断も注目されるところである。

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