退位特例法が成立、今後の流れは

天皇陛下の退位を認める特例法が9日午前、参院本会議で自由党を除く与野党の全会一致で可決、成立した。天皇の終身在位を定めた明治以降で初めてで、約200年ぶりの退位が実現する。退位は陛下一代を対象とするが、政府は「将来の先例となり得る」との見解を示している。今後、改元や儀式など代替わりに向けた準備が加速する。

出典:日本経済新聞ウェブサイト(http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H5T_Y7A600C1MM0000/)

以前にも、生前退位について法的問題と実際上の問題について記事を書きましたが、天皇陛下の退位を実現する特例法が9日午前、参院本会議で賛成235、反対0の全会一致により成立しました。自由党は採決を退席しました。政府は、2018年12月の退位と、新天皇の即位を想定しています。陛下は「上皇」、皇后は「上皇后」となります。特例法の公布日から3年以内の施行日に退位し、皇太子さまが直ちに即位するということになります。終身在位制に例外を認める本特例法は、退位の対象を1989年に即位した天皇陛下と明示しており、新天皇となる皇太子さま以降は適用されません。恒久制度化を求める声を踏まえて、政府は将来の退位の「先例になり得る」とする見解を示しています。

将来的に強制退位が生じないように、特例法の1条において陛下が83歳と高齢になられ、公務などの継続が困難となることを「深く案じておられる」、「国民は陛下のお気持ちを理解し、共感している」と明記することによって、恣意的、強制的なものではないことを明確にしています。また、上皇は皇位継承権や摂政就任権を持たないとしています。皇太子さまの即位に伴い皇位継承順位が1位となる秋篠宮さまの処遇は「皇太子」と同等とされます。内廷皇族とはせずに30年近く国民に親しまれてきた秋篠宮家を維持することになります。。一方で公務が拡大することから、活動予算は各宮家に振り分ける「皇族費」から現在の約3倍の額を支給されます。

退位と改元の手順は以下のようになります。

17年 6月9日 退位特例法成立。
18年 夏? 皇室会議の意見を聴取、退位の日を政令で決定。新元号発表。
12月? 特例法施行。天皇陛下が退位、皇太子さまが即位。
19年 1月1日? 新元号適用。

象徴としての活動を巡り、宮内庁は陛下が全て新天皇に譲るとの見解を示しています。有識者会議が招いた専門家からは、退位後に海外からの賓客をもてなす役割を期待する意見が出ました。新天皇の即位後しばらくは陛下の活動のあり方が国民の印象に強く残る可能性があり、国民が上皇を事実上の天皇とみなしてしまう「象徴の二重化」が生じるとの懸念があります。

特例法の制定により、生前退位に係る法律上の問題は取り除かれました。本特例法の特徴として、退位の対象を現在の天皇陛下に限定していることにあり、終身在位の制度が廃止されたわけではありません。また、1条において、生前退位が恣意的、強制的なものではないとして将来的な強制退位が生じないようにしていることにも特色があります。

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